1Day-YORUMORIの教育機関向けプログラムでは、日帰りの五感教室(研修)を通じて、自然・自分・仲間を感じる時間を過ごします。普段の思考から離れ、偶発性や思いがけない気づきも大切にすることで、内省と対話を通じて自己理解と相互理解、そしてつながりを育む場を創ります。
今回の教室は、「感情と感覚のリテラシーを育む」ことを主な目的として実施されました。自然に触れてリフレッシュすることの体感や、感覚を働かせて自分や仲間に対する新しい発見をしていく様子を紹介します。
五感研修「1Day」を導入していただいた、サイエンス科・プロジェクト科 主任 田中 理紗 先生にお話を伺いました。
コロナ禍で、課外学習や他者との触れ合いに制限があったので、普段とは違う場で「心的安全性」や「自己との対話」が出来る場があればと思っていました。子ども達からは「自然に触れたい」「ゆっくり過ごしたい」という要望もありました。
今回の森の時間は、それにぴったりな、目指していたもの以上の場だったと思います。
子ども達が五感に集中するようなことをさせてあげる機会が、学校で全くないわけではありませんが、学校とは違う場所で行うことが、すごく大事だと思いました。
丁寧にリードしてくださったので、子ども達も入り易かったのではないかと思います。
感情や感覚に関して言えば、リテラシーを高めたいと思っています。例えば、自分がざわざわしていると、アウトプットもざわざわしたものになって、自分の内側から出てくるものにはなりません。
今回のシェアリングや振り返りのコメントから、子ども達が自分で気づいたことを言葉に出来ていると思いました。
このような取り組みは、一回で到達するようなものではないのだと改めて感じました。例えば一人の時間がうまく過ごせなかった子も、次に同じような機会があった時には「やってみよう」と思うきっかけになると思います。どのようなものであっても必要な経験だったと思います。
とろうと思ってもとれない自分の時間は心地よかった。空が青い。空気が綺麗。木がある。芝生が冷たい。日が暖かい。静寂に包まれた自分とみんな。当たり前なことを今日はたくさん感じた。再認識した。当たり前は当たり前じゃない。
1人でゆっくりと過ごす時間も、自分にとって大事だという事に気がついた。
いつもは人と話しながら歩くのに、一人なので普段目に入ってこなそうなものも入ってくるのが面白かった。
自分自身と向き合う時間が最近なかったので、自分自身と向き合える1人の時間の大切さを再認識しました。
歩いて心地よい疲れを感じた。スマホとかで音楽を聴かなくても楽しめたことが新鮮だった。
有意義でした。あまり言葉じゃ表しづらいけど、「気づき」が多かったです。
本当にやるべきことに囚われているんだなと思いました。周りに集中しようとしても頭の片隅で課題とかのこと考えてて、なかなか環境に意識を向けるのが難しかったです。
表面上の世界に囚われて毎日生活していることに気づきました。また周りの評価や印象ばかり気にしているということを実感しました。
自分を見つめ直すことができた。最近の自分成長したなあ。
何も考えなかったから、思考がリセットされた。
人とコミニュケーションを取ることを基本とした授業を多く扱っているので、一人の時間が新鮮で、少し心細かったです。やっぱり人が大好きなんだなと感じました。
今まで、こんな感覚をするのがあったかなーって思った。グループでいるよりも、1人の時間を大切にしたいと思ったし、仲の良い人を連れて安心の場の中で話をしたいと感じている自分がいた。
熟知してる仲間同士でも、お互いの感じることや、感覚で感じ取ったことはわからないから、面白かった。
各々の感じ方を知り、お互いのことをさらに知ることが出来て良かった。
人それぞれ感じたことが違うのが面白かった。耳で聞き取った音から思考を巡らせたり、自分と違う感覚で考えている人が結構いるんだなと思った。
それぞれ思ったことや感じたことが違っていて、すごく面白かったです。みんなそれぞれ自分にあった一人の時間を過ごして、自分だけの学びを見つけていて聞いていて、見ていて、とても面白かったです。
普段とは違うクラスの皆の姿を感じてるように思えた。それが、なんか不思議な感覚だった。
纏まらない話、非常に良かったです。途中何を話しているのかよくわからないところがありましたが、それがまた新鮮で面白かったです。
意外と自然と話が流れて、びっくりした。みんな思ったことをそのまま口にした感じだった。感覚に敏感になった人がいたり、一人でさびしいと思った人がいたり、同じことをしているのに、全然違うんだなーと思った。
まとまらない話をするから、話すハードルが下がって話しやすかったです。一人の時間を大事にできている人もたくさんいるなと感じた!
昨日は皆が輝いているように感じた。外でのワークがいかに刺激的なものか実感することができた。コロナ禍で中々外出できる機会が少なかったので、このような機会はもっと増やすべきだと感じた。
心地よい沈黙を味わえた。
やっぱ楽しいひとたちだな、と。
外で自由な時間があると、みんな穏やかになっているなと思いました。
裸足になった時、日陰の芝生が冷たいのに気づいた。脱がないとわからなかったこと、、なんかハッとした。
初めは退屈だったけれど、だんだん何も考えず歩いていたから、いいリフレッシュになった。
常に何か考えようとしていたので、呼吸を意識したら気持ち良くなりました。1人タイム久しぶりだったので、この機会でできてよかったです。
静かな自然の中にいることがなかなかないので、とても落ち着けた。
クラスの皆が盛りだくさん学校を一旦忘れて、心からはしゃいだり自然を感じて楽しんでいた姿が印象的でした!
自然と向き合ったり、触れる機会が学年上がるごとに減っているなと感じる良い機会でした。自分でも意識的に時間を取ってみようと思いました。普段深呼吸することがあまりないので新鮮でした。
普段都会というか自然が少ない場所で過ごすことがおおくて、いつも忙しない感じでいたので、少し森の中は雰囲気がちがくて、入り口でも少し雰囲気を感じることができました。
なんか入っていく前のどうなるんだろう。みたいな、ドキドキ感があった。ちょっと、何か不安な面もあった。
私たちは、現代のような変化の激しい時代に、「内省と対話」は、誰もが身につけるべき「生きる力」だと考えています。
一般的な学問の知識やスキルとは異なるかもしれませんが、自分らしさや自分の軸を持って大切にすること。そして他者と分かち合い、共に何かを創り出していくことは、今の時代を生き抜く上で欠かせないリテラシーではないでしょうか。
WHO(世界保健機関)は、健康・ウェルビーイングを「身体」「心」「社会」の3つの側面から定義していますが、私たちは、この定義に加えて「自然とのつながり」が真のウェルビーイングに欠かせないと考えています。
人は自然の恵みによって生かされていて、健全な自然環境があってはじめて、個人も社会も健康でいられるからです。
また、サステナビリティやネイチャーポジティブといった概念も、実際に自然に触れて「大切にしたい」という想いが一人ひとりの内に根づくことで、本質的かつ継続的な取り組みになると思います。
現代を生きる力と、ウェルビーイングを、共に育んでいきたいと思います。
よる森-YORUMORIでは、内省と対話〜自然との、自分との、仲間や他者との対話を通して、実践を重ねていきます。
今回、五感授業でご一緒させていただき、本当にありがとうございました。このクラスでは先生方が集まり「どんな教育がやりたいのか」を徹底的に話し合い、子ども達自身が「何をやりたいのか」を大切にして運営されているとのこと。今後も「内省と対話」の力を共に育んでいければ、嬉しいです。